会社四季報って何?
上場企業の事業内容、最近の概況、業績、財政状態、株主の状況などの株式投資に必要な情報がコンパクトにまとまっている書籍です。年4回発行されています。
それぞれ、3月、6月、9月、12月に発売され、企業の直近の決算書の内容が反映されており、複数の会社を見る時には非常に便利です。また、四季報の編集者が予想する業績や、低PER特集などの情報も載っているため、株式投資を始める上では便利な書籍です。
成長株と割安株とは?
成長株とは
売上や利益を年々増やしおり、今後も成長が見込まれる企業の株のことです。
上場したばかりの企業もここに含まれることが多いです。
割安株とは
企業価値と比べて実際の株価が過小評価になっている企業の株のことです。
多くの企業を観察して、こういった企業を見つけ出しましょう。
成長株は見極めるポイントは?
- 売上高、経常利益が過去3年以上増加している
- 当期、来期の業績も増加予想になっている
- ROE:10%以上、ROA:5%以上をキープしている
- 売上高や総資産が小さい
- 株価が大きく上昇していないか
売上高、経常利益が過去3年以上増加している
非常にシンプルですがこれが重要です。株価が注目されやすいですが、株価はほとんど上昇していないが、業績は右肩上がりで伸びている企業は存在します。例えば、不況などの経済が低迷している時でも、スマホやITなどの分野は成長し続けてきました。
当期、来期の業績も増加予想になっている
過去の業績に加え、将来も業績予想が増加していく企業は成長株として有望です。
ただし、伸び率が鈍化しているときは注意です。伸び率が少ないと投資家からの注目も下がり、株が売られて株価が下がることに繋がることがあります。
ROE:10%以上、ROA:5%以上をキープしている
この両方をチェックすることで、会社が上手に利益を上げてきているかが分かります。稼ぐ効率が良ければ、成長も継続できる可能性が高まります。
日本の企業でもROEを見る投資家が増えたため、企業も向上努力を続けています。ただ、まだまだROE 10%以上の企業は少ないです。
売上高や総資産が小さい
成長が期待できる会社を探す時に、まだ規模が小さいことは重要です。規模が小さければ何倍もの成長が期待できるからです。
具体的にいくらという基準はないので、同じ業界の大手企業・有名企業の売上高や総資産と比較すれば良いでしょう。
株価が大きく上昇していないか
成長株であっても、株価が大きく上昇した後では利益は見込めません。誰にも気付かれていない成長株を見つけましょう。
割安株を見極めるポイントは?
- PERが業界平均より低い
- PBRは1より小さい
- 配当利回りが高い
PERが業界平均より低い
PER(株価収益率) = 株価 ÷ 1株当たりの当期純利益
この値が低いほど割安とされています。
PBRは1より小さい
PBR(株価純資産倍率) = 株価 ÷ 1株当たりの純資産
1倍を割り込むと割安とされています。
配当利回りが高い
配当利回り(%) = 1株当たりの配当金 ÷ 株価 ×100
配当利回りが高いほど割安とされています。
復活株の特徴は?
業績が赤字から黒字に転換
過去の業績をチャックしていく事で、赤字続きだった企業が、少しずつ業績を改善してきている状況に気付くことがあります。
- 業績予想の赤字が、縮小されている
- 業績予想の赤字が、黒字に転換する
ここで注意点として、業績が好転していても、株価が下降トレンドの時は手を出さない方が良いです。業績予想が黒字になっていても、実際の決算前には下方修正をかけることは良くあります。赤字からの脱却はそれだけ難しいということです。下降トレンドの時に手を出すと痛い目を見ることも少なくありません。財政面もチャックして倒産しないかを見ておく必要があります。
倒産リスクの見極めポイントは?
- 自己資本比率は低くないか?
- 有利子負債が多くないか?
- 営業キャッシュフローがマイナスになっていないか?
- 累積損失が大丈夫か?
- 債務超過は大丈夫か?
- 赤字続きでないか?
- 継続企業の前提に関する重要事象の記載はないか?
自己資本比率は低くないか?
自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資産 ×100
四季報に記載されていますので計算は必要ないです。
自己資本比率が高ければ高いほど安全性は高いと言えます。逆に20%以下であればリスクが高いと考えておきましょう。
有利子負債が多くないか
有利子負債は借入金や社債のことです。父さんの大きな鯨飲の一つは、借金が返せなくなり差し押さえられてしまう事です。ただ、有利子負債があっても、十分なキャッシュがあれば問題ありません。いつでも借金は返せる状態だが、無理に返さずに事業に投資する企業もいます。重要なのは有利子負債よりキャッシュが豊富にあることです。
四季報上では、キャッシュにあたるのが「現金同等物」です。これは、現金・当座預金や普通預金および換金が容易で低リスクの短期投資(3カ月満期の定期預金など)を合計した金額であり、キャッシュフロー計算書における「現金及び現金同等物の期末残高」の金額を指します。
四季報は過去の四季報と見比べることで、時系列で有利子負債と現金同等物の差がどのようになっているかを見ることが出来ます。もし、年々有利子負債が増えて差が広がるようなら倒産リスクが上昇していると言えるでしょう。
営業キャッシュフローがマイナスになっていないか
営業キャッシュフローは本業で企業が稼ぎ出したキャッシュのことです。これがプラスなら本業で稼げていることがわかりますが、マイナスになっているようなら赤字になっていることを示しています。キャッシュが稼げていることは非常に重要です。このキャッシュから事業投資をしたり、借金を返済します。ただし、鉄鋼、化学、半導体などは景気によって影響を大きく受けるため、不景気には営業CFがマイナスになることもあります。一時的なマイナスなら許容範囲内かもしれません。
累積損失は大丈夫か?
今までに稼いできた利益の蓄積を「利益剰余金」といいます。これが多ければ、順調に利益を重ねてきたことが分かります。総資産の30%以上の利益剰余金があれば、十分に優良と考えられます。逆に、利益剰余金がマイナスになっている場合は「累積損失がある」又は「欠損金がある」といいます。累積損失は、事業が赤字続きだと現れてきます。この状態まで来ると投資するにはリスクが高いと考えられます。
債務超過は大丈夫か?
自己資本がマイナスになっている企業は「債務超過」の状態に陥っていることを示しています。債務超過は資産より負債の方が多くなっている状態です。資産をすべて売却し、換金しても負債を返済できない状態であり、倒産リスクの高い危険な状態です。また、債務超過が2期連続されると、上場廃止になってしまします。
赤字続きでないか?
復活株のケースもありますが、赤字が続いている企業はリスクがあります。赤字が続けば、純資産も減少していきますので財政状態が悪化していきます。
継続企業の前提に関する重要事象の記載がないか?
会社概要の箇所に、「継続企業の前提に重要事象」や「継続企業の疑義注記」の記載がある企業は倒産・上場廃止リスク高いと考えていいでしょう。
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