中央銀行（日本銀行）って何？金融政策って何が目的なのか？

中央銀行（日本銀行）とは？

日本銀行はわが国唯一の中央銀行です。日本銀行は、日本銀行法によりそのあり方が定められている認可法人であり、政府機関や株式会社ではありません。

日本銀行のホームページより引用

日本銀行法では、日本銀行の目的を、「我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うこと」および「銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資すること」と規定しています。

日本銀行のホームページより引用

発券銀行

日本の中央銀行である日銀は、法貨である日本銀行券を独占的に発行し、金融政策を実施しています。

銀行の銀行

日銀は、金融機関の預金を受け入れるほか、貸出取引を行っています。一般の企業や個人を対象とした取引を行っていません。

政府の銀行

政府（国）が、その所有する円貨に関する預金勘定を日銀に開設しており、税金の受取や公共事業の支払いなど、個人や企業などとの資金決済すべてを、日銀に開設した政府預金を通じて行っています。

金融政策とは？

日銀は、物価の安定（通貨価値の維持）や信用秩序の維持を中心とする最終目標（政策目標）を掲げて金融政策を運用しています。最終目標を実現するために公定歩合操作や公開市場操作、準備率操作といった政策手段を用いて、インターバンク市場金利、ハイパワード・マネー、預金準備などに働きかけています。金融政策の直接の対象となるこれらの変数を操作目標といいます。また、操作目標と最終目標の間に長期金利、マネー・サプライ（マネー・ストック）、銀行信用残高などの中間目標を置き、中間目標の達成を通して最終目標の達成を図ることがあります。

金融政策の手段

金融政策の運営手段として、①公定歩合操作、②準備率操作、③公開市場操作、の3つが挙げられます。現在においては、③公開市場操作（金融市場調整）が主たる手段になっています。

公定歩合操作

公定歩合とは、日銀の民間銀行に対する信用供与である日銀貸出にかかる金利のことであり、日銀はその水準を操作することによって銀行の与信態度に影響を与えることができます。

公定歩合操作は、かつては金融政策の基本的な手段として位置づけられていましたが、1996年に日銀が日銀貸出を金融調整の手段として用いないという方針を明らかにし、インターバンク市場金利（無担保コールレート・オーバーナイト物等）の水準を調整することに政策のウエイトがシフトしています。

準備率操作

預金準備制度に基づき、民間銀行は預金残高の一定割合を準備預金として日銀の口座に積み立てることが義務づけられていますが、日銀はその割合を変更することによって民間銀行の与信態度に影響を与えることができます。

公開市場操作

日銀は債券や手形を売買し、市中における資金需給を操作することによって、インターバンク市場金利を政策的に望ましい水準に誘導したり、金融機関の与信態度に影響を与えることができます。

日銀が債券や手形を購入すれば、円資金が市中に供給され（買いオペ）、債権や手形を売却すれば、円資金が市中から吸収されることになります（売りオペ）。この公開市場操作は、ほぼ毎日実施され、現在の金融政策の中心的な手段となっています。

買いオペの種類

売りオペの種類