金融商品取引法のディスクロージャー制度
金融商品取引法に基づいて開示される情報には以下のような種類がある。
- 有価証券報告書
- 営業や経理の状況等の情報を記載した報告書で、各事業年度経過後3カ月以内に財務局長等へ提出する必要がある。
- 四半期報告書
- 事業年度が3カ月を超える場合、当該事業年度の期間を3ヶ月に区分した期間ごとの、当該会社の属する企業集団の経理の状況その他の重要な事項を記載した報告書で、各期間経過後45日以内に財務局長等へ提出する必要がある。
- 臨時報告書
- 臨時的に発生した事実のうち、企業内容に重要な影響を与える可能性のあるものに関する報告書で、当該事実の発生により遅延なく提出する必要がある。
代表的な閲覧場所
- 紙媒体
- 有価証券報告書総覧
- 電子媒体
- インターネットを利用した電子情報開示システムEDINET
証券取引所の規制によるタイムリーディスクロージャー(適時開示)
証券取引所が開示を義務付けているタイムリーな情報開示。
- 決定事実に関する情報:株式の発行、資本の減少、自己株式の取得、会社分割など。
- 発生事実に関する情報:主要株主の異動、災害の発生、破産等の申し立てなど。
- 決算に関する情報:決算内容、業績予想の修正等、配当予想の修正など。
最も定期的に開示されるのは
- 決算短信
- 取引所が定める共通の様式である決算短信によって行われ、有価証券報告書の開示に先立って開示される。決算短信の特徴として、売上や利益といった当期の業績数字のみならず、次期の業績予想が開示される点です。
代表的な閲覧場所
インターネットを利用した適時開示情報伝達システムTDnet
企業固有の開示(自主開示)
各社の自主的な情報開示
自主的に開示される情報としては、事業報告書やアニュアル・レポートなどのIR情報がある。
代表的な閲覧場所
これらは各社のWEBサイト等で提供されている。
WEBサイトは情報の宝庫
アサヒグループホールディングス株式会社のWEBサイトを例に見てみましょう。
同社は日本証券アナリスト協会によるディスクロージャー優良企業選定において、食品セクター部門1位の評価を受けている企業です。 同社の場合は、情報がとても分かりやすいです。
有価証券報告書や決算短信ではわからない、企業トップのメッセージ(投資家向け)、中期経営計画、財務ハイライトなどは特に優良な情報だと言えます。
バリュー投資をするなら中期経営計画は必読になります。ただし、あくまでも企業による目標数値であり、蓋然性については投資家が判断しなければなりません。
IRライブラリにある決算短信には、「補足資料」「決算プレゼンテーション資料」が一緒に公開されている。決算短信は、ひな型に沿ったやや形式的な最低限の情報が盛り込まれています。補足資料には文字通り、補足的な情報がまとめられており、こちらを見ることで理解がより深まると考えています。
そのほかには「ファクトブック」にも注目したいです。過去の市場動向、シェア、財務データなどをビジュアルにして見やすくまとめられています。同社は子会社を多く抱えるため、全体的な業績だけでなく、各セクション毎のデータが見やすくまとめられているのは重宝されるでしょう。
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